2020年4月13日月曜日

餌付けしてた頃の話

皆さん、お元気でしょうか?またまたご無沙汰しておりますキヨコです。

世界中がコロナの影響で身動きとるのが大変な状況になっており、日本も感染者が急に増えて、いろいろな状況が大きく変わってしまって、予定が立たないと思いますが、明けない夜はない、というように、どんな形であれ必ず終わりがくるはず。
全く誰にも会わないというのは難しいかもしれませんが、後悔の無いよう、感染しない、させないためにできる限りの予防をして皆様の命、誰かの命を守って下さい。

モルディブはと言いますと、島と島の行き来を禁止したり、サファリからスタッフが降りるのに14日間経たないと降りられないとか、早いうちに感染国の入国を制限したりしていました。

そのかいもあって感染者は少ないし、今は観光客はほぼ来ていないので、新しい感染者は国内の人ではほぼいなそうです、今たまに出ている感染者は海外から帰国してきたモルディブ人なので、隔離中に発見され他の人に移す事なく病院に移動しています。
現在は帰国した国民も、就労ビザを持っている人でもモルディブに入国したら14日間は指定の宿泊場所で隔離されてます。

なので、まだ終息宣言は出ていませんが、
ほぼコントロールできている良い状態ではないかと思われています。
後は、いつからどのような形で観光客の受け入れを再開できるかという段階に入りつつある感じです。


こんな時ですが

今日は昔の餌付けの話、
昔の話ですよ~!

今のモルディブはダイビング中の餌付けは基本禁止ですので、絶対にしないでくださいね。

私がモルディブに初めて働きに行った1990年ころはまだ観光客も少なく、餌付けも盛んにおこなわれていました。

私がいた某リゾートでその頃おしえてもらってやっていたのは、チキンソーセージでの餌付け。
チキンソーセージは水にぬれてもボロボロにならずその頃は安価だし餌付けにはちょうど良かったんですね。(サファリで朝食に出るあのふにゃふにゃのソーセージです)

バナナリーフという有名なポイントで、マダラハタ、ドクウツボ、ヨスジフエダイなどに餌付けしてました。 
スモールマギリではキヘリモンガラ、ライオンズヘッドではサメ、ナシモティラ等ではナポレオンにゆで卵をあげたりしてました。

その頃は今と違ってインターネットはなく、世界の情報はあまり入ってこなかったし、モルディブでもモルディブ人のガイドも少なく、政府もダイビングに関してあまり立ち入った制限をしていませんでした、なのでそれが普通だと思っていました。日本でも他の国でもこのころは餌付けに関しては甘かった時代です。

餌付けをした魚は慣れているので、ダイバーが来ると近づいてきて、とても可愛かったです。

でも餌付けが原因で、ある日めのまえで事故が起きました。
今はほとんど潜っていないライオンズヘッドというダイビングポイントが北マーレにあり、そこはグレーリーフシャークが見られることで有名でした、というのもサメの餌付けのポイントでもあったからです。昔のサメに口で餌をあげているポストカードはこのポイントで撮ったものです。

その日はそのポイントで餌付けをしてサメを呼ぶという日でした。
魚の切り身をもってそのポイントでダイビングを始めました。

お客様はリーフにある段差の上でリーフギリギリまで下がって岩につかまり、サメを見るために横1列に並んで中層を見ていました。
私はまだサメの餌付けの経験はないので、お客様と餌付け担当のガイドの間で両方を見ているという役目を勝手にしてました。
サメが全く怖くない日本人の他のガイドは、花咲じじいのように魚の切り身を中層でばらまきサメを呼んでいます。

ひえ~

 そしてやはりサメ好きなドイツ人のガイドが餌をもってサメを呼んでいます。何匹かのサメがぐるぐる回って餌を狙っていたり、食べてる様子を見ることが出来ました。

 でも思ったよりサメが集まらず、そろそろこの場は移動しようとした時です、ドイツ人のガイドが
リーフ近くまで来て自分のグループのダイバーを呼びに来たときに事故は起こりました。

サメには気を付けていたドイツ人ですが、素手で魚を触っていたため、手には魚のにおいがまだ残っていたのでしょう、リーフから巨大なウツボがすごい速さで飛び出していき、そのガイドの手に
ガブッとかみついたのです。

ギャー!

見ていた全員が一瞬何が起こったかわからず、静止、
次の瞬間にはガイドが手を振ってウツボを振り払おうとしていますが、離れません。

 血も流れてきたのですが、私達もどうすることもできず、見ていると、たぶんここがサメのポイントと気が付いて血が流れていてはまずいと思ったのでしょう、そのガイドはどんどん浮上して行きます。
上を見ていると水面に上がってドーニに上がったようす、何かあれば緊急で浮上合図がでるはずだが無いので、もう大丈夫だろうと他のグループはそのガイドのグループも連れてダイビングを続け、その間に水面ではスピードボートの音がしていました。

浮上後聞いた話ではそのガイドを病院に連れて行き、7針も縫う大けがをして、しばらくはダイビングができなくなり、数か月ドイツに戻っていました。

実はその前か後に、本当か嘘かわからないのですが。他のリゾートで餌付け中にサメに指をかみ切られたという話が出回り、今回の事故もあって、たしか政府からの通達でサメの餌付けは禁止になりました。

サメ以外でも、餌付けでの小さな事故はたくさんあったと思います、ヨスジに噛まれて擦り傷できたとか、ナポレオンに手ごと噛まれたとかとか、


サファリを始めてからも最初の方は餌付けをしていました。
この話は20年も30年も前の話です。ご存知の様に現在は餌付けもお触りも禁止ですよ。

ナイトダイビングのサメに魚もって行ったり、
フィッシュヘッドのナポレオンにはどこのサファリもみんなゆで卵をあげて
すごく近くまで来たナポレオンと記念写真とか、キスしたり触ったりもできました。

ただそのうちナポレオンがいなくなり、次のナポレオンもいなくなり、何代かめのナポレオンがいなくなった頃にはモルディブのサファリも増えてきて、ダイバーも多くなり、皆が海には無いゆで卵をあげていたら、栄養のバランスも良くないだろうし、ナポレオンの体もゆで卵を分解するようにはできてないのでは、と....やっと私たちダイバーはナポレオンがいなくなるのは卵をあげているせいではないかと言い始め、あげるのをやめました。

人なっこいナポレオンを見ることが出来なくなったのはさみしいけど、
今の常識としてはやはり自然界の生きものに、餌付けをするのは良くないので、
これでよかったと思います。

今いるダイバーがみんな魚に餌をあげていたら大変な事になってしまいますからね。

そういう事でモルディブの餌付けの時代はかなり前に終わりました。

でもリゾート島やローカル島で食事に使った魚の残りを海に捨てるのは餌付けといえば餌付けなんですけどね、
だからあんなにいるんです、サメやエイ、そしてその他のまるまる太った魚たちが桟橋の下にね。
あんなにサメやエイを見れる事はたぶん自然では稀なので、もう少し見ていたいな、と思ってます。
マンタやジンベイは餌付けではないですよ~まあ光で照らして、プランクトン集めてって感じで、マンタたちも光のある所に餌が集まるって本能的にわかっているのかなぁ、なので自然な餌付け???

何度も書きますが昔の話です。現在は餌付けも触るのも禁止ですよー
ではまた次回



 

 



0 件のコメント:

コメントを投稿